定款に定める本店所在地にマンション名はいるのか?部屋番号は?~定款の作り方

本店所在地を自宅や賃貸マンションにする場合、マンション名や部屋番号まで定める必要があるのか?
あるいは部屋番号まで晒したくない、という要望もあるかと思います。

定款に定める本店所在地は厳密な住所でなくてもよい

まず、定款に定める本店所在地の書き方ですが、マンション名や部屋番号は定めても定めなくてもいいです。
また、法務局に登記する場合の本店所在地も同様に定めても定めなくても構いません。

定款に定める本店所在地は番地まで定めたほうがいい理由

よく言われていますのが定款には最小行政区画まで定めておけば、同一市内で引っ越しした場合であれば定款の変更が不要なので最小行政区画まで(長崎県長崎市など)にしておいたほうがいいということです。
確かにおっしゃる通りですが、そもそも株式会社であっても定款の変更に認証は不要ですし、この一人会社のような小さな会社であれば簡単に定款の変更はできてしまいます。

また、いくら定款に最小行政区画までしか定めていなくても同一市内であっても違う町などに引っ越せば登記の変更が必要になってきますので大して手間は変わりません。

逆に、定款に本店所在地を定めていない場合は法務局に登記申請をする際に本店所在地決定書なる書類を作成して添付する必要が生じます。
本店所在地決定書を作りたくない場合は番地まで定めておきましょう。この場合でもマンション名までは不要です。

従いまして定款に定める本店所在地は番地まで、が無難ということになります。

登記申請の際の本店所在地は登記簿で誰でも見れることを考慮する

では、登記する際の住所はどうしましょうか。登記上の住所は履歴事項全部証明書=登記簿によって第三者にも見ることができますのでこの点を考慮した上で決定しましょう。

登記簿上の住所に郵便物がくることを考慮する

ただ、注意を要するのは登記上の住所あてに郵便物が発送される場合がありますので(銀行口座など)部屋番号がない場合など多少めんどうが生じるかもしれません。
1戸建ての自宅であれば番地まででも郵便物は届くでしょう。
しかし、マンションのような集合住宅ですと部屋番号が分からないと届けようがありません。従って下記にも記載しましたが少なくともマンションなどの場合は部屋番号まで登記したほうがいいと思います。

自宅と事務所が同じだと結局は登記簿で部屋番号が分かってしまう

しかも、自宅が本店所在地の場合はマンション名や部屋番号を隠しても合同会社の場合は履歴事項全部証明書の業務執行社員の住所で分かってしまいますのであまり意味がないとも言えます。
私は定款も登記の場合も番地まで定めましたが、登記した後に上記のことに気づきました。税務署で設立届をしたら国税から法人番号が通知されるのも原則登記上の住所らしいですし、法人名義の口座を作る場合も郵送物が原則登記上の住所あてに送られるので普通に部屋番号まで定めたほうが良かったかなと思います。地番が代表者の住所と同じだから代表者のマンションの部屋番号に送ってくれれば有り難い話ですが...

※追記
税務署からくる法人番号指定通知書が税務署に届けてから2週間たっても到着しませんのでやはり宛先不明で返送されている可能性が高いですね。設立届書に住所を書く際に念のため部屋番号まで付加したほうがいいかもしれません。
法人番号指定通知書はゆうちょ銀行や住信SBIネット銀行の法人口座開設で要求されます。(私はネットで法人番号を検索してそれを印刷しましたが)
楽天銀行法人口座も開設はできましたが、担当者本人宛の郵便物は届きましたが、法人連絡先(原則登記上の住所)宛てに送られてくるサンキューレターはまだきません。その後最終的には楽天銀行とゆうちょ銀行で法人口座の開設が無事にできました→ゆうちょ銀行の法人口座 楽天銀行の法人口座開設がめんどくさかった

また、社会保険事務所や県税事務所などに届けを出す場合は部屋番号を付加した形で連絡先を届けられます。